大高緑地「恐竜パーク」計画を考える

名古屋市緑区にある県営大高緑地公園内の樹林地に「恐竜パーク」を誘致する愛知県の計画について考えます。

1. 恐竜パーク計画に関する経緯

2015年10月に恐竜パーク計画発表

 愛知県は2015年10月15日、名古屋市緑区にある県営大高緑地(公園)内の樹林地(約3.2ha)に自然体験型恐竜探険アトラクション「ディノアドベンチャーライド名古屋」(以下、「恐竜パーク」)を誘致し、2016年7月の開業を予定していると発表しました。

 (参考)愛知県ウェブサイト 
 大高緑地における民間活力を活用した新たな公園施設について
 http://www.pref.aichi.jp/soshiki/koen/0000086210.html

 2015年3月から民間事業者を募集

 県の建設部公園緑地課は大高緑地の「魅力向上を図ることを目的として、既存の樹林地を活かしつつ、公園施設を設置、管理運営する」民間事業者を募集し、外部有識者で構成する選定委員会が応募した事業者の中から民間事業者を選定する手続きを進めてきました。

 具体的には、2015年3月から5月にかけて施設を設置・管理運営する民間事業者を募集し、6月の選定委員会で事業者を決定、7月から10月の事業者による現地調査・設計を経て、10月15日に県と事業者が協定を締結するというスケジュールで開業に向けた準備が進められてきました。

地元住民・自治体には寝耳に水

 ただ、公園の周辺住民や公園利用者、地元の名古屋市緑区役所は10月15日の発表までの間、この計画について全く知らされていませんでした。このため、県の発表以降、周辺住民や公園利用者から同計画に対するさまざまな意見が出されることになりました。

 県の同発表以降、同計画に対して市民から賛否両論があがっています。緑区役所も同発表で計画を初めて知り、県の担当者を呼んで説明を受けるとともに、住民の意見を聞く場を県に働きかけているとのことでした。これに対して、県は地元の区政協力委員を個別にまわって説明を行ってはいるものの、住民に対する十分な説明や住民の意見を広く聞く機会は設けていません。

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芝生広場が広がる若草山事業予定地の樹林地(写真奥)