大高緑地「恐竜パーク」計画を考える

名古屋市緑区にある県営大高緑地公園内の樹林地に「恐竜パーク」を誘致する愛知県の計画について考えます。

はじめに

「恐竜パーク」計画の経緯と筆者の問題意識

 2015年10月15日、愛知県は名古屋市緑区にある大高緑地の樹林地を開発し、民間事業者が設置運営する「恐竜パーク」を開業させることを発表しました。

 この発表は地元住民や公園利用者にとっては寝耳に水であり、発表以降、事業の見直しなどを求める住民運動が展開されています。同年11月上旬の新聞報道でこのことを知った筆者は事業実施の発表までの間、何ら住民への説明や意見を聞く機会を設けなかった県の事業の進め方に問題があると考えました。

 そこで、筆者は事業の担当課である愛知県建設部公園緑地課をはじめ、関係各所への問い合わせや情報公開請求を通じて、事業に至る経緯や事業内容、民間事業者の選定過程などの検証を試みるとともに、県に対しては住民に対する説明や意見を聞く機会を設けるべきとの意見を伝えてきました。

 先日、2016年3月上旬から「恐竜パーク」の工事に着手するとの新聞報道がなされました。県は地元の区政協力委員に説明をしたとしていますが、多くの住民に十分な説明を行わないまま、着工の判断をしたといえます。

 本来、県から住民に対して丁寧に説明し、意見を聞くプロセスが必要不可欠であると考えていますが、この間の県の対応は不十分なものといわざるを得ません。

 2016年1月下旬に情報公開された文書を閲覧した際、筆者は「不安や懸念を抱く住民に対して県から十分な説明がなされないのであれば、情報公開された文書を広く公表することを考えたい」と公園緑地課の職員に伝えた上で、県として説明責任を果たされることを求めたところ、「検討したい」との回答を得ましたが、結局、聞き入れられませんでした。

本ブログ開設の趣旨

 上記のような経緯と問題意識に基づき、このたび、本問題についてより多くの方に知っていただき、お考えいただければとの思いから本ブログを開設し、お考えいただく際の素材として情報公開された行政文書を公表することといたしました。

 なお、「恐竜パーク」事業の検証を進める一環として行った情報公開請求では、十分な行政文書が開示されないなどの問題にも直面することになりました。「開かれた行政」のあり方について考える上で、参考になればとの思いから、情報公開をめぐる問題についても触れています。

 本ブログを通じて、一人でも多くの方に本問題について関心を持っていただければ幸いです。